空論上の砂、楼閣上の机。

The Castle of Indolence

「受精」と「授精」の違い

キャンベル生物学の邦訳は2021年7月現在で第11版の第4刷まで出ていますが、その誤植・誤訳の量はかなりハンパないことになっており、正誤表は丸善出版のHPから見ることができます。

www.maruzen-publishing.co.jp

図書館にあったのは初版だったので(上の正誤表を見ていただければ分かるように)えげつない量の修正を必要とされることに気付き、仕方なく16500円をはたいて購入することにしました。近くのジュンク堂にも池袋のジュンク堂にも第3刷しかなかったので、仕方なく新宿の紀伊國屋書店にまで足を運んだら見事第4刷をゲットすることができました。奥付を見てみると「令和3年2月20日 第4刷発行」の文字があり、色々と探し回った甲斐があったと思いました。

早速読んでみると第6章に次のような文があるのを発見しました。

実際、ヒトを含む多くの動物では、授精している精子の鞭毛の基底小体は卵に入った後、中心小体になる。

この「授精」が「受精」のタイプミスなのかと思った矢先、よく考えると「体外精」と「人工精」の違いがあることに気付きました。辞書を引いてみると、どうやら fertilization の訳語が「受精」で、insemination の訳語が「授精」であるということのようです。こうなったら原文を見てみるしかありません。

In fact, in many animals (including humans), the basal body of the fertilizing sperm’s flagellum enters the egg and becomes a centriole.

というわけで、これはやっぱり誤植(誤訳)のようです。後でメールを送っておかないと……