空論上の砂、楼閣上の机。

The Castle of Indolence

数列の和から一般項を求めるときの場合分け

数列 ${a_n}$ の初項から第 $n$ 項までの和を $S_n$ とするとき, 次の等式が成り立つ.

$$a _ n=\begin{cases} S _ n-S _ {n-1} & (n \geq 2)\\ S _ 1 & (n=1) \end{cases}$$

数列 $a_n$ の初項から第 $n$ 項までの和 $S _ n$ が $S _ n=2 ^ n$ であるとき, この数列の一般項を求めよ.

$n\geq2$ のとき $a _ n=S _ n-S _ {n-1}$ なので $a _ n=2 ^ n-2 ^ {n-1}=2 ^ {n-1}(2-1)=2 ^ {n-1}$ であり, $n=1$ のとき $a _ 1=S _ 1=2 ^ 1=2$ であるから, $$a_n=\begin{cases} 2 ^ {n-1} & (n \geq 2)\\ 2 & (n=1) \end{cases}$$

このように $a_1$ の値が $n\geq2$ で求めた一般項の式に $n=1$ を代入した値と一致しない場合があります. これは次のような事情によります.

まず $S _ n$ は $1$ 以上の自然数 $n$ にしか定義されませんが, “形式的に” $n=0$ を代入することができる場合があります. このとき数列 ${a' _ n}$ を $a' _ n=S _ n-S _ {n-1}~(n\geq1)$ と定義します. 一般に $n\geq 2$ で $a _ n=a' _ n$ となりますが, $a _ 1=a' _ 1+S _ 0$ ですから, 場合分けが不要となるための必要十分条件は $S _ 0=0$ すなわち「与えられた数列の和に $n=0$ を形式的に代入した値が $0$ となる」ことです.