空論上の砂、楼閣上の机。

The Castle of Indolence

理科Ⅰ類を志望します

東京大学教養学部理科Ⅰ類を志望することにしました。

そもそも、小学生のころから東京大学で勉強したいと考えており、中学生になったら米国大(とくに狙っていたのは Harvard や MIT など)と東京大学の併願という形で考えておりました。理数系が好きだったので理科Ⅰ類にし、血が嫌いでグロ耐性もその頃はなかった上に親はどちらも生物屋だったので医者とは縁遠くもあったので理科Ⅲ類は志望していませんでした。

ところが、コロナが始まって「就職がヤバいんじゃないのか? セーフティネットとして医師国家資格を取っておいた方がいいんじゃないのか?」と思い、周りの勧めもあって理科Ⅲ類を志望することにしていました。3月ごろから10月まで死ぬ気で受験勉強をこなし、今現段階で受けてもボーダーぐらいには必ず乗る実力はついたと思います。英語と国語は高2まででやれることがなくなるほど極めていましたし、数学と物理は理Ⅲ合格者層の平均以上には乗る感じです。生物は、まあまだ発展途上ですが、一通りの知識は身についています。

ところが今日起きて東大数学を解こうと思った矢先にふと「本当に医学部に行きたいのか?」という問いが頭に浮かび、よく考えてみると自分は

  • 医師国家資格は取っておきたい
  • 医学を勉強すること自体は楽しめるはず
  • 研修や臨床はやりたくない
  • そもそも医者の器に値する倫理観はない
  • あと何十年も医者の地位が揺らがないかどうかは分からないし、もし揺らいだら転職しないといけない
  • 大学生のうちの年収は変わらないはず

という事実から目を背けて「理Ⅲ病」に罹患していたような気が急にしてきました。「受験勉強は自分のためにしかならないけど、どうせ努力するなら社会に還元する形にしたい」という思いがふつふつと湧き上がり、何人かの信頼できる人に相談すると「人それぞれ価値観は違えど、もし君の人生を生きることになるなら、理Ⅰに行くと思う」「コロナ前は医者を勧めたけどコロナ後の今となっては医者も先が見えなくなったから、セーフティネットになるのはここ10年ぐらいだろうね」と言われ、覚悟が決まったという次第です。一番大きかったのは、この半年間で自分の中にあった違和感が今日で完全に消えたことです。昔の自分の声に気づいた原点回帰を果たしたというわけです。

ではこの半年間の受験勉強が無駄になったかというとそんなことは全くありません。今までは受験勉強をくだらないと一蹴していましたが、実は正しくやれば思考力が非常に鍛えられるということに気付きましたし、いかに目標を達成するためにスケジュールを管理し計画を立て実行するかということを今までとは違うレベルでひたすら試行錯誤できました。理Ⅰだったらどこかしらナメてしまっていたと思います。この半年間だけではありますが、理Ⅲを第一志望にして思ったことは「このプレッシャーはえげつない」ということです。昔は医者になるつもりがないのに偏差値だけで理Ⅲを受ける人をバカにしていましたが、実際にはそんな藁人形はごくわずかだろうと思いました。今の自分は理Ⅲの学生を尊敬しています。ただたとえば医者の家系に生まれていたら問答無用で中1からガッツリ理Ⅲを目指していたはずで、高3の春になって進路に迷って理Ⅲを目指しここまで力がついたということは自分としては評価できると思っています。理Ⅲを受ける同級生とも(お互い受かったら)尊敬しあえる関係でありたいとも思います。

とにもかくにも、ここまで色々なことを学び取り成長することができましたから、あともう半年頑張って合格し、大学・大学院でこの6年間の経験を活かしてさらに勉学に励んでいきます。