空論上の砂、楼閣上の机。

The Castle of Indolence

開成中算数 2015 を解き直してみた

この前ちょうど中学入試があって「そういえば当時の自分は算数で結構テンパったなぁ」と思い返したので、5年がけのリベンジをしてみました。


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グダグダ書いてあるが、大事なのは $\langle (\cdot, \cdot) \rangle \colon \mathbf{Z} \times [0,1)_{\mathbf{Q}} \to \mathbf{Z}$ とみなせるので、$\mathbf{Z}$ 側で順序付けることができるということだ。特に (3) で分母を固定しているということは、$\mathbf{Z}$ 側を一つとって固定すると、$\langle \text{ア} \rangle=54$ を満たす $\text{ア}$ が(存在するとすれば)一意に定まるというところが本質的だ。そのまま大小関係についても順序を保存しているので、適当に見ていけばよい。

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本番で全く解けなかった。(1) は、エとオの角度を見て $カ=オ\times 2-エ$ とすぐわかる。ここから自分は全く分からなかったのだ……あたかも連立方程式を解くだけかのように感じてしまってドツボにハマり、自明な (4)-$ウ$ だけなんとか…というところだったと記憶している。

図形の問題を出しているのだから図形的考察をしなければならない。(2) はこう見るのだ。

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というわけで $ア+イ=カ\times 2+オ=(オ\times 2-エ)\times 2+オ=オ\times 5-エ\times 2$ を得る。(3) は

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というようにカを足してやることで $イ+ウ+カ+オ=エ+カ$ となるので $イ+ウ+オ=エ$ を得る。

あとは本当に連立方程式。$ア$ は図から明らかに $キ-(イ+ウ)\times 4$ で (3) より $キ-(エ-オ)\times 4=キ+オ\times 4-エ\times 4$となる。$イ$ は (2) より $オ\times 5-エ\times 2-ア$ で、ちょうど $ア$ がわかっているので、$エ\times 2+オ-キ$となる。$ウ$ は右図の上の部分だったので $キ-エ-オ\times 2$ となる。

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実はこれは「幼稚園コース」と呼ばれるランニングコースを題材にした問題である。AB間が道灌山坂、CD間は向陵稲荷坂に対応している。最近は近隣住民へご迷惑をかけたり交通上の安全への配慮だったりであまり使われなくなった。幼稚園コースという言葉自体も、運動部の走り込み以外はここ数年間全く聞かなくなるほど死語になりつつあると感じている。

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ちなみに(大問2で動揺していたのだろうか)本番での記憶は全くない。とりあえず整理すると図のようになる。

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2秒目で両者が BC 上に初めて対峙し、ゆう君がすでに進んでいた $100\times\dfrac{4}{7}\text{m}$ の残りの $\dfrac{300}{7}\text{m}$ を同じ速さで進むから、結局 B から $\dfrac{550}{7}\text{m}$ だけ離れた地点で出会う。ここまでは本番でも解けた覚えがある。

問題はここからだ。グダグダと整理してもよいのだが、問われているのは「(2) で求めた場所からどちらへ何mずれた場所」なのである。絶対的な座標ではなく相対的な差をわざわざ問うているということは、少し発想を転換する必要があるのだ。二人が一周にかかる時間の差は $\dfrac{4}{21}$ 分なので、まさひろ君が (2) の場所に着くときにゆう君はあと $\dfrac{4}{21}$ 分の距離 $\dfrac{400}{21}\text{m}$ を残しているのだ。同じ速さで向かい合うので $\dfrac{200}{21}\text{m}$ だけ B 側にずれている。

というわけで当初の $\dfrac{550}{7}\text{m}$ を $\dfrac{200}{21}\text{m}$ だけずらしていくので、$\dfrac{550}{7}\div\dfrac{200}{21}=8+\dfrac{1}{4}$ すなわち BC 上で 9 回出会ったのちに AB 上で出会うこととなる。その間、AD 上でも 9 回出会っているので、トータルとしては 19 回目に初めて AB 上ですれ違う。

その地点を調べる際は、「まさひろ君の 10 回目の B 到着」と「ゆう君の 9 回目の A 到着」を計算して出会い算でよい。前者は 9 周したあとに D から B まで行くことで達成されるので、$\left(5+\dfrac{20}{21}\right)\times 9 + 2 + 1 = \dfrac{396}{7}\text{m}$ で、後者は 9 周するだけなので $\left(6+\dfrac{1}{7}\right)\times 9 = \dfrac{387}{7}$ となる。その差の $\dfrac{9}{7}$ 分だけゆう君は $84\times\dfrac{9}{7}=108\text{m}$ 進んでいるので残りの $12\text{m}$ を $12\times\dfrac{126}{126+84}=\dfrac{36}{5}\text{m}$ の場所で出会う。

ちなみにインターエデュの解答速報は10回目になっていてめちゃめちゃ面白かった。

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これはめちゃめちゃ簡単で、(1)(2) はサービス問題、(3)(4) がカヴァリエリの原理(いわゆる等積変形)が本質的に効いてくる問題である。本番は割とスルスル完答できて嬉しかった思い出がある。


やっぱり大問 3 が本当にイヤらしい問題だった。他の大問は歳を経ることで見通しがかなり良くなるが、こういうのは自分が一番嫌いなタイプだ。まあ、一年後の大学受験に向けてぼちぼち頑張って行こうと思えたので良しとしよう。