空論上の砂、楼閣上の机。

The Castle of Indolence

位相空間論による素数の無限性証明

素数が無限個存在することは良く知られているが、1955年に Hillel Furstenberg が学部生のときに提出した位相空間論を用いた証明は教育的でありながら興味深い. 何が興味深いかというと, まさにエラトステネスの篩をイメージしたような証明方法になっているからだ. イメージはあくまでもイメージにすぎないが, インターネット上で見つかる日本語の証明はいまいち整理されていなかったので, 自分なりに筋道を良くした.


任意の $a\in\mathbf{Z}\setminus\lbrace 0\rbrace$, $b\in\mathbf{Z}$ に対する $a\mathbf{Z}+b$ が開基*1となるような位相を $\mathbf{Z}$ に入れる.

補題.$a\mathbf{Z}+b$ は閉集合でもある.
証明.$$a\mathbf{Z}+b=\mathbf{Z}\setminus\left(\bigcup ^ {a-1} _ {i=1} a\mathbf{Z}+b+i\right)$$
$\blacksquare$
定理.素数は無限個存在する.
証明. $$\mathbf{Z}\setminus\lbrace\pm1\rbrace=\bigcup_{p\colon\text{素数}} p\mathbf{Z}$$

左辺は有限集合 $\lbrace\pm1\rbrace$ の補集合であるから(空集合でない有限集合はこの位相では開集合でないので)閉集合ではない. 一方で右辺は閉集合の合併である.

閉集合の合併集合が閉集合でない状況は無限個の合併をとっている場合にしか起き得ない.

$\blacksquare$

*1:位相空間 $X$ の開集合からなる集合 $\mathcal{B}$ が開基であるとは, $X$ の任意の開集合が $\mathcal{B}$ の元の合併で書けることを言う.