空論上の砂、楼閣上の机。

The Castle of Indolence

医学

読書録:「ギフティッドの居場所をつくる―その理解と受容から」

昔は「ギフテッドなんて胡散臭い非科学的なレッテルは廃止すべきだ」という態度を大して調べもせずに取っていたのですが、これを読んで今までの立場を全て撤回する必要があることを痛感しました。 haruaki.shunjusha.co.jp 何が胡散臭く感じられたかというと…

WAIS-IVを受けてきた

はじめに 「自分探し」は死語です。少なくとも10代でこの語を本気で使っている人は今まで見たことがありません。では若者が自らのアイデンティティを探すことを止めたかというと、もちろんそんなわけがなく、前よりも複雑で分かりにくい形態で「自分探し」が…

読書録:『自分の「異常性」に気づかない人たち』

自分の「異常性」に気づかない人たち 病識と否認の心理作者:西多 昌規草思社Amazon ようやく “ガチ” の精神科の現場を垣間見ることができるような本を発見しました。対象読者は広範にわたっているものの、著者は特に「医療福祉系の学部を志望している若者」…

読書録:『自分を傷つけずにはいられない』

自分を傷つけずにはいられない 自傷から回復するためのヒント作者:松本俊彦講談社Amazon 図書館でふと手に取った本でしたが、またまた名著を引き当ててしまいました。 刃物で自分の身体を傷つけるという方法による自傷(「切る」タイプの自傷)だけを取り上…

読書録:『居るのはつらいよ』

居るのはつらいよ: ケアとセラピーについての覚書 (シリーズ ケアをひらく)作者:東畑 開人医学書院Amazon この本が出たのは2019年2月で当時から非常に話題になっていたことをいまだに覚えています。そして数日前まで買いそびれ続けていたのですが、ついに(…

「精神病は脳病である」?

ドイツの神経・精神医学者グリージンガー Griesinger は「精神病は脳病である」という言葉で有名ですが、本当にそう言ったのか検証することにしました。Griesinger, W. (1845). Die Pathologie und Therapie der psychischen Krankheiten. Krabbe. の冒頭で…

「思考吹入と所有者性」

経緯 昨日から、東京大学出版会から出ている「シリーズ精神医学の哲学」を息抜きに読んでいます。まだ第一巻『精神医学の科学と哲学』を読み始めたところなのですが、第二章「思考吹入と所有者性」で頭を悩ませた部分があったのでメモしておきます。 要約 こ…

読書録:『標準精神医学 第8版』

標準精神医学 第8版 (STANDARD TEXTBOOK)作者:尾崎 紀夫医学書院Amazon 実質2日ぐらいで読んでしまったので、これはラノベと言ってよいと思います。各論は概ね知っていたことを DSM-5 に沿って説明しているだけなので早く読めたというのもありますが、総論も…