空論上の砂、楼閣上の机。

The Castle of Indolence

メネラウス・チェバの定理の逆は成り立たない?

舞台設定 線分 $AB$ の長さを $\overline{AB}$ と書きます. 点 $A_1,\dots,A_n$ が一直線上にあることを, $A_1,\dots,A_n$ が共線であると言います. 直線 $l_1,\dots,l_n$ が一点で交わることを, $l_1,\dots,l_n$ が共点であると言います. 点 $P$, $Q$, $R$ …

コンデンサーについての所感

最近, 家庭教師の準備でコンデンサーなど物理を頑張っていたのですが, 色々と思うところがあったので適宜メモしておきます. Gauss の法則 まず Gauss の法則を電気力線の本数に帰着させている参考書が多くて非常に困る. おそらく『新・物理入門』の孫引きな…

ドリフト (2020年 東工大物理 第2問)

電磁場中における質量 $m$, 電荷 $q$ の荷電粒子の運動を考察する. 断りのない限り, $q$ は正負いずれの値も取りうるものとする. 磁束密度 $\vec{B}$ は, 時間的に変化することはないとする. また, 磁束密度 $\vec{B}$ の向きは, 図1のように紙面の裏から表…

くだらない民間語源

最近まで知らなかったのですが、「くだらない」という語には二つの民間語源が存在しているようです。 一つ目は「百済に無い」というくだらないトンチですが、意外と信じている人が多いようです。これが間違っていることは「くだらぬ」という活用が存在するこ…

接点の個数と接線の本数について (1990年 京大後期理系数学 第1問)

よく数Ⅱの $3$ 次関数で「接点の個数と接線の本数が一致するから……」という “おまじない” を書くことが多いと思いますが、それと同時に $4$ 次関数などでは一般に成り立たないということもよく注意されていると思います。それは相異なる $2$ つ以上の点で接…

英文解体新書 5.2 例題2 への補足: 平沢 (2014) から見るクジラ構文

本稿は、北村 (2019) の 5.2 例題2 の説明についての補足を個人的な備忘録としてメモしたものです。その理解や訳文は 100% 正しいものであり、説明も決して間違ったものではありません。ある種の学習者にとっては、しかしながら、混乱や誤解を生じさせうる説…

同心ソレノイドの相互インダクタンスの相反定理

本稿はまだ考察中のトピックを一旦整理するために書かれたメモ書きなので, 文体は全く整っておりません. 今後また何か進展があれば根本的な加筆修正を行います. 定理1. (相互インダクタンスの相反定理) 任意のコイル $C_i$ と $C_j$ に対して, その相互イン…

なぜRNAはTではなくUを持つのか?

高校一年の生物の授業でDNAの塩基はAGCTで糖はデオキシリボースなのにRNAの塩基はAGCUで糖はリボースだと習ったのですが、なぜTとUが違うのか一切説明がなされておらず全く意味が分からなかったのでネットで調べてみてもこれしか良い資料が見当たらず、しか…

Basel 問題 (1990年 東工大後期 第2問・2020年 慶医 第3問・2018年 気象大学校・2019年 東海医・2003年 日本女子大 理 自己推薦)

問題1. (1990年 東工大後期 第2問) $n$ を $2$ 以上の整数とする. (1) $n-1$ 次多項式 $P_n(x)$ と $n$ 次多項式 $Q_n(x)$ ですべての実数 $\theta$ に対して $$\begin{aligned} \sin(2n\theta)&=n\sin(2\theta)P_n(\sin^2\theta),\\ \cos(2n\theta)&=Q_n(\s…

望遠鏡和による (等差)×(等比) 型数列の和の導出 (2003年・2009年・2017年 センター数学)

数列 $\lbrace (ak+b)r ^ k\rbrace$ (ただし $r\neq1$ とする) の和 $$S _ n=\sum _ {k=1} ^ n(ak+b)r ^ k$$ を求めることをよく考える機会があります. 一般的には「公比を掛けて差を取る」という方法が紹介されていますが, これは添字の管理が非常に (特に…

まだロピタルの定理で消耗してるの?

メモを整理していたら, 大昔に友人に $$\lim _ {x\to0}\frac{x-\sin{x}}{x ^ 3}$$ を l’Hôpital の定理を使わずに教えてくれと聞かれたことをふと思い出しました. 当時の自分は次の画像を作って送ったようです. こんなパズルみたいな計算は嫌なので l’Hôpita…

受験数学における束 (pencil) について (1998年 京大後期理系数学 第3問・2019年 阪大文(理)共通数学 第3(5)問・2002年 東大理系数学 第3問)

束 (pencil) とは射影幾何学に由来する概念であり, もともとは Desargues の用いた ordonnance に端を発していますが, 代数幾何学における 1 次元の線形系も線形束 (linear pencil) と呼ばれています. ここではそのような射影幾何的・代数幾何的な背景には立…

Feynman の微分法 +α

Feynman は複雑な関数を微分する際に対数微分法を応用した手法を考案しました. 本稿では少しの改善を加えて具体例とともに Feynman の微分法を紹介します.

2次方程式の解の公式と対称性

$2$ 次方程式 $ax ^ 2+bx+c=0$ の解を求める際は一般的に平方完成をするのですが, これは些かテクニカルなきらいがあり, なぜそのような発想になるのかが一見すると自明ではありません. しかしながら, この方程式を解くことは実はある種の対称性と関係してお…

極座標における回転体の体積 (2012年 慶医数学 第4問・2009年 京大理系数学 第5問・2017年 東大理系数学 第6問)

問題1. (2012年慶医第4問・一部省略) (1) $0\leqq\alpha0$ とする. 極座標 $(r,\theta)$ に関する条件 $$0\leqq r\leqq R,\ \alpha\leqq\theta\leqq\beta$$ により定まる図形を $x$ 軸のまわりに回転させて得られる立体の体積を $T$ とする. $T$ を $\alpha$…